公式 7 インチタッチスクリーンの自作ケース ()
ラズベリーパイの公式 7 インチタッチスクリーンディスプレイが発注から 3か月、最初の納期から2か月半遅れて届きました。ディスプレイ背面にコントローラボードが付いていて、その上にラズベリーパイを重ねる構造なので、 どうしてもケースが必要です。 意外に好評だった前に作った工具箱を利用したケースの時と同じように、ホームセンターを物色して台所用品や文房具を見て回った結果、結局今回も工具箱に落ち着きました。 完成したのが下の写真です。 画面の青みが強く見える理由はあとで説明します。
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今回用意したパーツです。 左側は、公式 7 インチタッチスクリーン ディスプレイでケーブルが2種類と組み立て済みのディスプレイです。 発表当時は基板とフレキシブルケーブルが別々だったのが、組み立て済み に変更になっています。 白い最初のフレキシブルケーブルをラズベリーパイ と接続して、付属のケーブル2本で電源を供給できるようになっています。
右側は工具箱をバラした状態です。 材質はポリプロピレン製で、サイズは 205 x 108 x 52 mm で少しスクリーンの上下方向より小さいものです。 ちょっと厚みがありますが、そのまま立てて使うこともできます。 空いた空間にバッテリーを内蔵できるかもしれません。 ディスプレイの発注直後に買ったので、よく覚えていませんが、 たしか 250円ぐらいだったと思います。
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ディスプレイの背面の配置です。 フレキシブルケーブルと同じ側(下側) に電源用のUSBコネクタが付いていて、ラズベリーパイの電源用コネクタと 同じ位置になります。 電源用コネクタに USBケーブルのプラグを差し込むと、 下側にケーブルが出っ張るため、adafruit のケースと同じように上下を逆にして使うことにします。 「/boot/config.txt」に lcd_rotate=2 という行を追加すれば、 表示画面が上下反転するため問題ありません。 タッチ入力も追随して くれます。
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スクリーンの電源は、ラズベリーパイ側の GPIO ピンの 2 番 (5V) と 6 番(GND) から供給します。 ディスプレイの電源用のUSBコネクタは 使いません。
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工具箱の上面の中央3分の1ぐらいに穴を開けて、基板がケース内に 入るようにしました。 写真のように電源のコネクタ用に穴を広げて います。前と同じように小刀やドライバーを熱して豪快に切り取って います。 その後でカッターナイフで整形しています。 ポリプロピレン の工作は、何を使うのがスマートなんでしょうね?
ケースの留め具は立てた時、下側になるようにしています。 留め具のせいで少し上を向くようにしています。
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以上でケースになりますが、ちょっと剛性が足らなくてペコペコ した安っぽい (安いんですが) 感じでした。 そこで、内側に入るケースを 逆向きにはめて、補強するように加工しました。じゃまになる部分に 適当に穴を開けていった感じです。まだ雑な加工のままですが、修正する ことはなさそうです。普通は見えないし(笑)。
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内側のケースをでディスプレイ側にはめた状態の写真です。持った感じが しっかりして、安っぽさはなくなりました。安いんですが。
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後から見たところです。電源ケーブルは基板に力が伝わらないように 結紮バンドで固定しました。
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今回、問題になるかもしれない部分は、液晶の視野角です。上下を 反対に使ったため、下側から見る分には浅い角度でも大丈夫ですが、 上側から見ると見難くなります。 冒頭の画面が青っぽく写っているのは それが理由です。 テーブルに平置きして使う場合には都合がいいんですが。
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バックライトのコントロール
公式 7 インチタッチスクリーンディスプレイを接続したラズベリーパイ の消費電力は、バックライトが点灯している時は 6W です。 バックライトを消した場合の消費電力は 3W で、ラズベリーパイ単体の 消費電力と差がありません。 スクリーンセイバーが働いてスクリーンが ブランクになった場合には、バックライトも消えるようになっています。 スクリーンをタッチするとバックライトはすぐに点灯します。
バックライトを消す場合は、/sys/class/backlight/rpi_backlight/bl_power に 1 を書き込みます。 このようにして消した場合はスクリーンをタッチしても 点灯しません。
$ sudo bash -c "echo 1 > /sys/class/backlight/rpi_backlight/bl_power" $ cat /sys/class/backlight/rpi_backlight/bl_power 1
バックライトを点灯させる場合は、0 を書き込みます。
$ sudo bash -c "echo 0 > /sys/class/backlight/rpi_backlight/bl_power" $ cat /sys/class/backlight/rpi_backlight/bl_power 0
バックライトの状態は、/sys/class/backlight/rpi_backlight/bl_power を に読み出すだけです。 読み出しは一般ユーザでも可能です。 バックライトの輝度は変更できません。点灯/消灯の制御だけです。
ラズベリーパイ専用なだけあって、よく出来ています。適度に 解像度が低いため、コンソールを表示しても字が小さすぎることは ありません。 一方、Matchbox 等のバーチャルキーボードもあまり 使いやすくなく、Raspbian そのままでは、色々改善すべき点も 多くあります。 タッチスクリーンも10点を認識できるにもかかわらず 使われていません。 ソフトウェア面での課題がいろいろ残っていると ころが楽しみな部分でもあります。 今回使ったカーネルのバージョンを 記録しておきます。
$ uname -a Linux raspberrypi 4.1.13-v7+ #826 SMP PREEMPT Fri Nov 13 20:19:03 GMT 2015 armv7l GNU/Linux