Linux Zaurus、玄箱PRO、Raspberry Pi 用 rvtl (2019/12/26)
rvtl は Tiny Basic系のプログラミング環境です。アセンブラで作成しているため、 25キロバイトほどの非常に小さいプログラムですが、豊富な機能を持っています。 ライブラリは全く使用していません。Linuxカーネルさえあれば動作します。 メモリに余裕がない環境でも「ちまちま」とプログラム開発できます (^_^)v
BASIC言語系のインタプリタ、エディタ、コマンドラインのヒストリ機能と ファイル名補完、組み込みコマンドとしてLinuxの基本コマンド(ls, cat, cd, mkdir, rm, mount, unmount, chmod, mv, rmdir, sync, pwd) や上級者向けコマンド (chroot, pivot_root, swapon, swapoff, exec)が使用できます。
さらに比較的簡単にグラフィックでゲームを作成できるようにフレームバッファ に対するパターン転送(スプライト描画)、ライン描画などが可能で、メモリ上に 用意したバックバッファに対する描画も可能です。 擬似乱数の生成には高速で上質な Mersenne Twister を使用しています。
若干の制限はありますが、rvtl は子プロセスの起動、パイプ、リダイレクト といったシェルとしての機能も持っています。 先頭行を #!/usr/bin/rvtl として実行パーミッションを付加するとシェルスクリプトとして使うことも できます。
rvtlの文法や使用法の詳細は付属のドキュメントか、 こちらのページ を参照してください。 比較的規模の大きいプログラムの例は RvtlWiki のソースをご覧下さい。
ARM系のCPU を使っているLinux機ならば機種依存なく使用できるはずです。 64bit 版のArmを搭載したDragonboard 410C でも動作します。
ダウンロード
パッケージ | ファイル | サイズ | 内容 |
---|---|---|---|
ipk | rvtl_3.03.1_arm.ipk | 54kB | バイナリ、文書、サンプル |
tar.gz | rvtl-3.03.1arm.tar.gz | 134kB | +ソース付属 (OABI) |
EABI | rvtl-arm_3.05b.tar.gz | 149kB | Raspberry Pi(2)、Dragonboard 410C など(2019/12/26) |
インストールとアンインストール (Raspberry Pi)
rvtl-arm_3.05b.tar.gz を展開したディレクトリで ./rvtl と入力するだけで、 共有ライブラリやカーネルのバージョンに関係なく使用できます。 より便利に使うには、パスの通ったディレクトリに rvtl をコピーすることをお勧めします。 デフォルトではシェルスクリプトとして使う場合を考えて /usr/bin に置くように しています。
# cp rvtl /usr/bin
rvtl のバイナリをコピーするだけで使うことができます。 あえてアセンブルする場合は、make を実行して下さい。 スーパーユーザで make install すると /usr/bin に rvtl がコピー されます。
rvtl を rvtlw という名で起動すると、rvtlのプログラムが終了(#=-1)したり エラーでrvtl自身が終了します。rvtlw は rvtl で CGI を作成する場合に使うことを想定しています。 シンボリックリンクを次のように作成すると rvtlw で起動できます。
# cd /usr/bin # ln -s rvtl rvtlw
ASLR に対応しました。編集機能が UTF-8 対応になりました。 Linux Zaurus版と同様にフレームバッファを使ったグラフィックス命令を使用できます。 フレームバッファのサンプルは以下のように実行します。
$ cd $ cd rvtl-arm/vtl $ rvtl fb_demo.vtl <02F5> #=1
インストールとアンインストール (玄箱PRO、Raspberry Pi、Dragonboard)
カーネルがEABIとOABIの両方をサポートしている場合は、rvtl-3.03.1arm.tar.gz とrvtl-arm_3.05.tar.gz のどちらも使用できます。EABI専用にコンパイルされて いる場合は、rvtl-arm_3.05.tar.gz を使ってください。最近のArm用 Linux は EABI です。
rvtl を展開したディレクトリで ./rvtl と入力するだけで、共有ライブラリや カーネルのバージョンに関係なく使用できます。より便利に使うには、パスの 通ったディレクトリに rvtl をコピーすることをお勧めします。 デフォルトではシェルスクリプトとして使う場合を考えて /usr/bin に置くように しています。
# cp rvtl /usr/bin
rvtl はダイナミックリンクしたライブラリを使用していないので、 rvtl のバイナリをコピーするだけで使うことができます。あえてアセンブルする 場合は、 binutils が使用できる環境で make して下さい。 スーパーユーザで make install すると /usr/bin に rvtl がコピー されます。
rvtl を rvtlw という名で起動すると、rvtlのプログラムが終了(#=-1)したり エラーでrvtl自身が終了します。 シンボリックリンクを次のように作成すると rvtlw で起動できます。
# cd /usr/bin # ln -s rvtl rvtlw
インストールとアンインストール (SL Zaurus)
ipk は「ソフトウェアの追加/削除」からインストールして下さい。 インストール先は本体メモリとしてください。 /usr/bin に rvtl、 /home/zaurus/rvtl 以下にドキュメント、/home/zaurus/rvtl/vtl に サンプルプログラムがインストールされます。
rvtl-3.03.1arm.tar.gz(OABI) にはアセンブリソースを同梱しています。 展開したディレクトリにはアセンブル済みの rvtl があります。 ./rvtl と入力するだけで、 共有ライブラリやカーネルのバージョンに関係なく使用できます。 より便利に使うには、パスの通ったディレクトリに rvtl をコピーすることをお勧めします。 デフォルトではシェルスクリプトとして使う場合を考えて /usr/bin に置くようにしています。
# cp rvtl /usr/bin
あえてアセンブルする場合は、as と ld が使用できる環境(binutilsがインストール済み) で ./asld rvtl としてアセンブルして下さい。
make が使用できる場合は make でアセンブルできます。 スーパーユーザで make install すると /usr/bin に rvtl がコピー されます。
クロスアセンブルする場合は、Makefile を以下のように変更してください。
# self assemble #ARCH= # cross assemble ARCH=arm-linux-
rvtl のアンインストールは単に rvtl を削除するだけです。 ipk からインストールした場合は「ソフトウェアの追加/削除」から アンインストールできます。
Linux Zaurus版の特徴
コマンドレベルでは i386版 v.3.03 とPowerPC版 v.3.03.1 と互換です。 PC Linux とはハードウェアの違いでフレームバッファの座標が異なり、 Zaurusを右に90度傾けるとPCと同じ表示になります。(後述)
実行すると SL-C700、750、760 では以下のように表示されます。 プロンプトは「<プロセスIDの16進数表示>」です。
~$ rvtl RVTL v.3.03.1 2009/03/15, (C)2003-2009 Jun Mizutani RVTL may be copied under the terms of the GNU General Public License. <02F5> _
SL-B500等やフォントが大きく画面の表示文字数が少ない場合、プロンプトが プロセスIDの16進数表示の下2桁に「>」が付く形式になります。 フォントやコンソールのサイズに合わせて動的に変化します。
~$ rvtl RVTL v.3.03.1 2009/03/15, (C)2003-2009 Jun Mizutani RVTL may be copied under the terms of the GNU General Public License. F5> _
SL-B500では記号の入力が大変です。Fn と シフトキーの組み合わせですべての記号が 入力できますが、ソフトウェアキーボードを使うほうが楽かもしれません。 私は SL-B500 ユーザですが、キーボードに記号を書き込んでしまいました。
サンプル
vtl ディレクトリの fb_demo.vtl はフレームバッファを操作する機能の デモです。bmp ファイルをロードするため、vtl ディレクトリに移動した後 に実行してください。フレームバッファを使ったグラフィックのプログラム も高速に実行できます。ターミナル (コンソール) から実行してください。 終了は「~ (チルダ)」です。実行中断は
$ cd $ cd rvtl/vtl $ rvtl fb_demo.vtl <02F5> #=1
フレームバッファのデモが始まると、最初にフレームバッファをメモリに保存します。 次にランダムな色の点を10万個書き出し0.1秒スリープします。 それぞれ1万本の水平と垂直の線、ランダムな線を0.1秒の間隔をおいて描画することを3回繰り返します。 続いてモノクロの bmp ファイルから読み込んだパターン(足跡のつもり)を50msec毎に100個描画します。
左の図は256色の bmp ファイル (ペンギンの頭) を5msecのスリープをはさんで移動しながら 2000回表示します。Linux Zaurusのフレームバッファは左下から左上に X が増加し、 左から右へ Y が増加する構造になっています。
ペンギンの頭が左に90度回転させた形になっていることがわかります。bmp ファイルの読み込み時に 正常な位置に回転させる必要がありますが、今回の例では行っていません。
32x32ビットの正方形を色を変えながら2000回表示しています。その後、 最初に保存したフレームバッファから16x16ビットのパターンを切り出し、画面に転送しています。
1950 u=-1 v=1 1960 x=24 y=0 1970 I=1,2000 1980 !=^Bounce 1990 X=x Y=y C=I/32 C=% C=X*32+(C<<11)+Y 2000 !=^FillPattern 2010 _=Speed/10 2020 @=I+1
上は矩形塗りつぶし部分のコードです。サブルーチン呼び出し先の ^FillPattern の 部分は引数を設定して「|fbr」コマンドを実行しています。
さらに時間が経過したところです。最初に保存したフレームバッファを市松模様状に 画面に転送することで画面を元に戻しています。市松模様状に画面を復帰する部分の コードを示します。「|fbt」コマンドでメモリからフレームバッファに転送しています。 動きの割りに簡単です。
3810 K=0,1 3820 X=g[0]/t[3]-1 Y=g[1]/t[4]-1 3830 I=0,X 3840 J=0,Y 3850 D=(I+J)/2 D=% 3860 ;=D=K #=^RS_skip 3870 t[1]=I*t[3] : 転送先のX座標 3880 t[2]=J*t[4] : 転送先のY座標 3890 t[8]=t[1] : 転送元のX座標 3900 t[9]=t[2] : 転送元のY座標 3910 |fbt 3920 _=5000 3930 ^RS_skip 3940 @=J+1 3950 @=I+1 3960 @=K+1
rvtlのプログラムは vtl の拡張子が付いたテキストファイルです。 rvtlから読むこともできますが、メモ帳などお気に入りのテキストエディタで 読むほうが楽できます(^_^; fb_demo.vtl と実行時の画面を見比べてください。
ライセンス
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