デスクトップのデザイン変更 (2014/11/30)

Windowsと異なって、Linuxのデスクトップ環境は多くの種類があります。 そのため Linux に慣れていても、いつまでたっても自由にカスタマイズできるようになりません (少なくとも私は)。 一方、Raspberry Pi では全員が同じマシンを使っていて、OSとして Debian から派生して Raspberry Pi 専用にチューニングされたRaspbian を使っていると思います。デスクトップ環境のカスタマイズの方法をちゃんと調べておくと役立ちそうです。


前回 も書きましたが、Raspberry Pi のデスクトップ環境もチューニングが進んで、実用的に動作するようになってきました。 私も最近はデスクトップ環境 (X Window System) で使うことが多くなってきました。 Raspberry Pi の公式 OS の Raspbian は、デスクトップとして LXDE(Lightweight X11 Desktop Environment) を採用しています。 今回はRaspberry Pi のデスクトップのルックアンドフィールやアプリケーションのアイコンの追加や変更に関して解説します。日本語の設定は前回 の設定です。


Linux のデスクトップは X Window System 上で動作する ウィンドウマネージャ(window manager) で構築されています。 ウィンドウマネージャは機能やデスクトップのデザインが異なる色々な種類があります。Raspbian ではウィンドウマネージャとして Openbox が使われています。

ウィジェットスタイルの変更

ウィンドウの内部のメニュー、ボタン、スクロールバーなどのデザインを健康するには、下の図のようにメニューを選択します。 ターミナルのコマンドラインからは「lxappearance」を実行します。

lxappearance1.png


「色」のタブではウィンドウの文字色と背景色を変更できます。

lxappearance2.png


アイコンスタイルの変更

デスクトップとファイルマネージャに表示するファイル関連のアイコンのデザインを変更します。

lxappearance3.png


タイトルバーの色の変更

ウィンドウやダイアログのタイトルバーやステータスバーの色を変更するためには、下の図のようにメニューから 「Openbox Configuration Manager」を起動します。ターミナルの「obconf」というコマンドと同じです。Openbox ウインドウマネージャの設定を図のようにメニューを選択します。

obconf1.png


例えば、この後のスクリーンショットは「Clearlooks-Olive」を選択しています。Raspbianのデフォルトの黒よりいい感じになっていると思いませんか?

obconf2.png


デスクトップの設定

壁紙やラベルはデスクトップを右クリックしたとき表示されるメニューの「デスクトップの設定」を選択肢ます。

壁紙とラベルの色

「外観」のタブを選択したページで壁紙とデスクトップの背景色、ラベルのテキストの色を設定します。

pcmanfm_desktop1.png


高度な設定のワナ

「高度な設定」のタブのページはちょっと危険です。チェックボックスをチェックする前には、デスクトップを右クリックして表示されるメニューに「デスクトップの設定」があります。

pcmanfm_desktop1.png


チェックボックスをチェックすると、デスクトップを右クリックして表示されるメニューは変更されてしまいます。これを元に戻そうとしても「デスクトップの設定」が無いためもとに戻すことができなくなります。

pcmanfm_desktop1.png


そんな場合はターミナルを開いて「 pcmanfm --desktop-pref 」を実行すると、「デスクトップの設定」のダイアログを開くことができて元に戻せるようになります。

デスクトップのアイコン

Raspbian を pi ユーザでログインして、「startx」コマンドで表示されるデスクトップには色々なアプリケーションのアイコンがショートカットとして置かれています。ターミナル (LXTerminal) をメニューの「アクセサリ/LXTerminal」から実行して、以下のコマンドを実行します。

$ cd Desktop
$ ls -la

実行すると次のように「???.desktop」というファイルが表示され、これらがショートカットの実体になっています。

dot_desktop.png


「???.desktop」というファイルはテキストファイルで、「アクセサリ/Leafpad」で開いて内容を見ることができます。

mine_desktop.png


デスクトップにあるファイル以外の desktopファイルが「/usr/share/applications」フォルダにあって、Desktop ディレクトリにコピーしてショートカットを追加することができます。

jun@raspberrypi /usr/share/applications $ ls
debian-reference-common.desktop   lxrandr.desktop
dillo.desktop                     lxsession-edit.desktop
epiphany-browser.desktop          lxtask.desktop
epiphany-newtab.desktop           lxterminal.desktop
galculator.desktop                mimeapps.list
gksu.desktop                      mimeapps.list.bak
gpicview.desktop                  mimeinfo.cache
hplj1020.desktop                  minecraft-pi.desktop
ibus.desktop                      netsurf-gtk.desktop
ibus-setup.desktop                obconf.desktop
idle3.desktop                     openbox.desktop
idle.desktop                      pcmanfm.desktop
idle-python2.7.desktop            pistore.desktop
idle-python3.2.desktop            python2.7.desktop
im-config.desktop                 python3.2.desktop
kasumi.desktop                    qjackctl.desktop
leafpad.desktop                   scratch.desktop
libfm-pref-apps.desktop           sonic-pi.desktop
lxappearance.desktop              squeak.desktop
lxde-logout.desktop               wolfram-language.desktop
lxde-screenlock.desktop           wolfram-mathematica.desktop
lxde-x-terminal-emulator.desktop  wpa_gui.desktop
lxde-x-www-browser.desktop        xarchiver.desktop
lxinput.desktop                   xpdf.desktop

任意のアプリケーションのアイコン

デスクトップ上に任意のアプリケーションのアイコンを、ショートカットとして追加して、アプリケーション簡単に起動できるように設定できます。下のようにデスクトップフォルダーに移動して、そこで「lxshortcut」コマンドを実行します。デスクトップのショートカットは拡張子が「desktop」のファイルとなります。ここでは 「myapp.desktop」というファイルで作成します。デスクトップに表示されるラベルはファイル名と異なる文字列を設定できます。


$ cd
$ cd Desktop
$ lxshortcut -o myapp.desktop

上のコマンドで「アプリケーションショートカット」というダイアログが表示されます。名前に入力したテキストがデスクトップのアイコンのラベルになります。

lxshortcut1.png


「アイコンの変更」ボタンを押すと、アイコンの選択用のダイアログが表示されます。ここで選んだアイコンがデスクトップに表示されます。

app_icon.png


「コマンド」には実行するコマンドとオプションを入力します。

lxshortcut2.png


「OK」を押すとデスクトップにアイコンが表示されます。

myapp01.png


テキストエディタで myapp.desktop を開くと、次のような内容になっています。このファイルを修正すると表示されるアイコンやラベルも変更されます。

myapp01text.png


作ったアイコンをダブルクリックすると...


myapp01win.png


この例は Raspbian に標準でインストールされている java8 で作成したデスクトップアプリケーションの例です。この例は未完成ですが、java で作ったアプリケーションも普通にショートカットから実行できます。 java8 は Raspberry Pi で使っても十分に速く、ちょっとしたアプリケーションを作成するにはお勧めです。

時刻表示

右下の時刻表示の形式は、時刻を左クリックした時のメニューから変更できます。clock.png


「デジタル時計」の設定ダイアログです。デフォルトで 「%R」になっている部分を、「man 3 strftime」または 「man date」で表示されるフォーマットを指定します。

time_format.png


例えば「%F (%a) %R:%S」とした場合は以下のように表示されます。

clock2.png


デスクトップの操作

新規ファイル/フォルダーの作成

デスクトップに新規のファイルやフォルダーを作成するにはデスクトップを右クリックします。

newfile.png


ショートカットキー

次のようなショートカットキーでデスクトップやウィンドウを操作できます。ここでは代表的なものだけ示します。

ショートカットキー 動作
Alt-Tab デスクトップ上のウィンドウにフォーカスを順次移す。
Alt-Shift-Tab デスクトップ上のウィンドウにフォーカスを逆順に移動する。
Windows-D すべてのウィンドウを隠してデスクトップを表示する。
Windows-F1 先頭のデスクトップに移る。
Windows-F2 2番目のデスクトップに移る。
Windows-F3 3番目のデスクトップに移る。
Windows-F4 4番目のデスクトップに移る。
Alt-F4 アクティブなウィンドウを閉じる。

デスクトップをマウスボタンの中クリックでも簡単にデスクトップを移動できます。デスクトップの追加と削除も同じメニューでできます。

mouse_middle.png

続く...



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